【映画レビュー】「パッセンジャー」冬眠装置で120年の人類移住計画。しかし、男は90年も早く目覚めてしまった!?

究極の恋愛といえば、男女二人だけの世界ではないでしょうか?夢のような世界、それが実現したとしても、世界に二人しかいなくなっていたとしたら?そうした世界を映像化したのが、映画「パッセンジャー」です。

映画「パッセンジャー」のあらすじ

時代は、20××年、乗客5000人を乗せた豪華宇宙船アヴァロン号は、目的地の惑星を目指し、地球を旅立ちます。その目的地までの時間は、なんと120年。現在の人の寿命を超えています。

ところが、エンジニアのジム(クリスプラット)作家のオーロラ(ジェニファーローレンス)だけが予定よりも90年早く目覚めてしまいます。他の5000人以上の乗客は、冬眠装置で眠ったままです。

この映画では、トラブルの原因は何か、といったSFの要素よりも、極限の状態で危機を乗り越える男女の様子や人間の感情を深く描いた作品になっています。

美しい映像、ロマンスにどっぷりと浸れるストーリー

まず目を惹くのが、宇宙船アヴァロン号のデザインの美しさと本物のプラネタリウムのような船外の風景です。

アヴァロン号の船内も大変美しく、流線形を多用したデザインに圧倒されます。広大な空間と美しい映像に引き込まれますが、自宅のパソコンで見るよりも、映画館やシアターで大画面で見るべき映画です。3DやIMAXであれば、臨場感もあってより映画の世界を楽しめます。

それよりも主人公のジムとオーロラは、顔だけではなく、体も美しく、美男美女カップルの言葉のやり取りだけではなく、美しい二人の肉体美を堪能することができます。船外での二人だけの宇宙遊泳、恒星アークトゥルスの幻想的な風景などデートシーンにぴったりなロマンチックなシーンがたくさん登場し、映画の中盤までは本当にメロメロのラブストーリーが続きます。

主要キャストはたった4人だから印象に残るシーンが満載

宇宙船の乗客と乗組員をあわせると、5000人以上いるはずですが、映画ではほとんど出てきません。そして、エンジニアのジムと上流階級の作家志望のオーロラの二人だけのラブストーリーが展開されます。エンジニアのジムは、素朴なエンジニアで労働者階級の男性です。

階級の差はあるけれど、同じ宇宙船に乗り合わせ、出会った二人ですが、その事実を知ったオーロラは、激怒します。そこで物語が急展開しています。

アヴァロン号は、まるで豪華客船です。アンドロイドのバーテンダーアーサー(マイケルシーン)も機械でありながらコミカルな動きとウィットに富んだ発言で、ロボットというよりも人間らしい頭脳を持っています。

最後のキャストは、ガス役のローレンスフィッシュバーンです。クルーの一人ですが、船長ではなく甲板長です。船内トラブルを一瞬にして見つけてしまい、人為的なトラブルと知った後、なんと病気で亡くなってしまいます。なぜガスだけが目覚めたのかは謎ですが、物語のキーマンであることには間違いありません。

愛があればどんな苦難も乗り越えられる?

アヴァロン号に乗り合わせた乗客はいろいろです。上流階級も労働者階級も、職業も年齢も性別もバラバラです。こうしたなかでたった一人、選ぶとしたら、選べる立場にあれば、誰を選ぶのか、運命的な気持ちになれる映画です。

そして、愛があればどんな苦難も乗り越えられるのか?絶望から全員を救う二人の姿に注目です。
映画「パッセンジャー」は、一人では決して成し遂げられないけれども二人ならできる!、そんな気持ちになれる、そんな人を見つけられたなら、と思える切ない物語に仕上がっています。

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