【短編オリジナル小説】きょうの二階堂さん、きのうのタカナシくん vol.2
夕方。街がオレンジに染まっている。この時間が私はとても好きだ。 電車の窓に映る自分を見る。時として窓は鏡になる。 其処に映し出されている私はとても疲れているように見えた。 「鉄仮面みたいだよね」と陰口を言われているのを迂…
人生に喜びを、心に感動を。脚本家集団が送るエンタメディア
夕方。街がオレンジに染まっている。この時間が私はとても好きだ。 電車の窓に映る自分を見る。時として窓は鏡になる。 其処に映し出されている私はとても疲れているように見えた。 「鉄仮面みたいだよね」と陰口を言われているのを迂…
電車に乗ると所謂狛犬ポジションと呼ばれているドアすぐ横の場所に二階堂さんは立っていた。 二階堂さんは決してあだ名でもなく、名前でもなく皆から「二階堂さん」と呼ばれていた。そう呼ばなくてはいけないオーラを彼女はフルに発散し…