こんにちは、元舞台役者のノナです。
今回は、劇団の退団トラブル対処法について紹介します。
全ての劇団が正しい運営をしているわけではない
観客に夢と希望を与える劇団。有名で憧れの先輩が所属する劇団に入れた!なんて、ウキウキしていたのもつかの間、数か月後、数年後に恐ろしい目に逢うかもしれません。
なぜならば、全ての劇団が100%正しい運営をしているとは言えない現実があります。
入団後、「何かがおかしい」「自分には合わない」と感じて所属劇団の退団を考えたり、更なるステップアップを目指してフリーになることを検討している方も、少なからずいるでしょう。
しかし、簡単には退団を認められずに悩む方の話は、枚挙にいとまがありません。
ここでは主に「退団トラブル」の中でありがちな2つのケースについて、お話します。
1、しつこい「引き留め」にあった場合
代表者に退団の意向を伝えると、「ここで諦めるのか!?」「劇団を裏切るのか!?」「お前のために言っているんだぞ!」など、様々な言葉で「引き留め」をされることがあります。
場合によっては脅迫めいたことを言い、退団する意志を喪失させようとしてくることもあるでしょう。
また、代表者が他の団員を使って「みんなあなたを必要としているんだよ!」などと直接、又はメールなどで言わせてくることもあります。
しかし、あなたがきちんと考えて出した決断であれば、代表者や他の団員に何を言われようが、それに従って退団を撤回する必要はありません。
ここは断固として「自分はこういう風に考えて結論を出した」ということを、しっかりと伝えましょう。
あまりにもしつこく引き留めてくる場合や、脅すようなことを言ってくるなどの悪質な場合は、無料の弁護士相談や法律に詳しい知り合いなどに相談するのも、1つの方法です。
2、金銭を請求された場合
退団の意向を伝えると「契約解除料」「違約金」などの名目で多額の金銭を請求してくる劇団もあります。
私の周りでは、「1年間は退団を認めないと契約書にもあるので、1年分の団費の残金の支払い義務がある」と言われ、十数万円の金銭を請求されたなどの例も耳にしました。
これらには、原則として支払い義務はありません。
「◯年は退団を認めない」などは、あくまで劇団側の都合ですので、それに従わない場合に違約金を支払わなければならないという義務もありません。
それでもしつこく金銭を請求してきたり、法律や反社会的集団などの名前を出して脅迫してくるような悪質な場合は、最寄りの消費者センターや無料弁護士相談などに相談することをお勧めします。
これらの2つの他にも、退団に関するトラブルには様々なパターンが存在します。
しかし良心的な劇団であれば、そもそもあなたの意向を尊重してくれるはずですし、退団の際に高額な金銭を要求してくることなどもないはずです。
このようなトラブルを回避する一番良い方法は、自分が所属しようとしている劇団を入団時によく見て、本当に信頼してやっていける団体かどうかを見極めることなのではないでしょうか。
入団時には、役者自らも団体を審査する必要があるのです。