こんにちは、元劇団員のノナです。
今回は、劇団員の収入の問題について取り上げたいと思います。
演劇だけで食べていくのは至難の業!
芝居の世界は、夢がある世界です。しかし、それだけで生活をしていくのは難しい業界でもあります。宝塚歌劇団、劇団四季などのように、定期的に公演に出演できるようになれば生活が安定する劇団も一部にはあります。
しかし、これらの劇団はかなりの難関であることに加え、その他のほとんどの劇団は給料が出ず、チケットノルマが回収できなければ団員の収入はゼロ、またはマイナスになることもしばしばです。
その上、毎月の団費の支払いなどもありますし、稽古に通うための交通費も全て自腹です。芝居だけで食べていける人間は、ほんの一握りと考えて良いでしょう。生活していくために、多くの役者達はアルバイトや他の仕事をしているのが現実です。
芝居と両立可能な仕事は?
しかし、ここでもまた考えなければならないことがあります。アルバイトや他の仕事をするとしても、「その仕事のために芝居の稽古に参加できない」「公演に出演できない」となってしまっては、本末転倒です。
いくら生活のためとは言え、頻繁に稽古を欠席する人や公演にあまり出られない人には、どこの劇団でも良い役は回ってこないでしょう。
また劇団によっては「あいつはやる気がない」とみなされ、待遇が悪化することもあり得ます。これは単なる意地悪ではなくて、芝居に限らず芸事は、日頃の稽古が大変重要ということを意味しています。そのため役者が生活のためにする仕事は、芝居の稽古や公演に支障のない仕事でなくてはならないのです。
では、どんな仕事が良いのか?
私の知っている役者さんには、居酒屋などでアルバイトをしている方、会社員をしている方、普段は資格を取るために学生をしているという方、イベントや芸能関係の仕事をしている方などがいました。共通しているのは、比較的休みが取りやすく、時間の融通の利く仕事というところです。
正社員として働きながら活動する役者さんにも、何人かお会いしたことがあります。そういった役者さんの中には社会人劇団に所属していて、土日が休みの会社員のスケジュールと合わせることが可能だったため、劇団の中心的メンバーとして活躍されている方もいらっしゃいました。
会社の休日が決まっていて、あまりブラックな企業でなければ、このような活動の仕方も可能なのです。アルバイトなら、自分でシフトの希望を出せる職場であることが重要ですね。
現実の生活は厳しくても、お客さんに見させる「夢」は忘れないようにしていきましょう!