【短編オリジナル小説】万引き犯を捕まえたはいいが妹だった。第12話(最終話)
妹はまだ子供だ。ジョナサンでステーキを奢ってやると言ったら、のこのこと誘いに乗ってきた。 前回はこちら 「いらっしゃいませ」というジョナサンの店員に案内された俺たちを今か今かと佐田は待っていた。そして俺たちを振り返ったそ…
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妹はまだ子供だ。ジョナサンでステーキを奢ってやると言ったら、のこのこと誘いに乗ってきた。 前回はこちら 「いらっしゃいませ」というジョナサンの店員に案内された俺たちを今か今かと佐田は待っていた。そして俺たちを振り返ったそ…
妹からのLINEの返信は俺がバイトを終わった時間を見計らったように返ってきた。 「何の用?」大分シンプルなご返信じゃないか、妹よ。 前回はこちら 帰宅した俺は真っ先に言った。 「俺はキューピッドになるつもりだ。わかったか…
「佐田くんさ、彼女いないよね? 彼氏でもいいけど」と俺は聞いてみた。 前回はこちら 「ちょっとちょっと、決めつけないで下さいよ。僕にだってですねぇ」 「いないだろ」 「紹介でもしてくれるんですか? だったらいないってこと…
万引き犯の妹は椅子にちょこんと座り、一点を見つめていた。 前回はこちら 「お前さ、さっきから何見てんの?」 「成分表示」 「えーと、さ。今の状況分かりながら紅茶の成分表示見てるとしたら、 お前、すごいよ。さすがだよ」 「…
反省の色を見せない万引き犯の妹を前にして、兄である俺は、言葉を探していた。 「お前さ、今いくらあるの?」 「かつあげですか?」 「なんでそうなる。所持金でここにある紅茶、買って帰れない?」 俺達の目の前には妹が万引きした…
何が不満だったのか。俺は万引き犯を目の前にして考えていた。 万引きしたものは「レモンティー」「ストレートティー」「ミルクティー」を一本ずつ。何処ぞでティーパーティーでもやるつもりか。ティーパーティーでも。 「何か言ったら…