【短編オリジナル小説】きょうの二階堂さん、きのうのタカナシくん vol.5
二階堂さんは今日も凛としていた。 次の授業の準備もせずに。 前回はこちら 「ねえタカナシくん」 一瞬自分の名前を二階堂さんが呼んでいることに全く気づかなかった僕。 「無視されてるのかしら、タカナシくんに」 という声で漸く…
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二階堂さんは今日も凛としていた。 次の授業の準備もせずに。 前回はこちら 「ねえタカナシくん」 一瞬自分の名前を二階堂さんが呼んでいることに全く気づかなかった僕。 「無視されてるのかしら、タカナシくんに」 という声で漸く…
寂れた町だよね。街っていうか町って感じだよね、 って同級生が話しているのを不図私は思い出した。 わからないわけじゃないけど、ここで生まれてここで育った私としては、 なんだかそれって自分自身の故郷というかアイデンティティを…
休みの日に商店街をプラプラしていると、うっかり僕は二階堂さんに出会ってしまった。 寂れた感じのシャッター商店街とまではいかないけれど 活気があるような場所でもない。 出来れば二階堂さんの休日はバレエを見に行くとか、 楽団…
夕方。街がオレンジに染まっている。この時間が私はとても好きだ。 電車の窓に映る自分を見る。時として窓は鏡になる。 其処に映し出されている私はとても疲れているように見えた。 「鉄仮面みたいだよね」と陰口を言われているのを迂…