こんにちは、元劇団員のノナです。
より質の高い作品ほど、役者・劇団員が舞台に立つまでに、相当な練習を積んでいくことになります。今回はそんな練習の中でも大体どこの劇団でも必ず行われているような、最も基本的なものをご紹介します。
演劇に興味を持ったあなたは、演劇の練習の具体的な内容にも興味を持っていることでしょう。一口に演劇の練習と言っても、その内容は様々です。まずはこの3つの基本を押さえることが大切です。
1、「発声」に関する練習
芝居の練習では、まず腹式呼吸・開口発声・ロングブレス・滑舌など、発声に関する練習を必ず行います。
これらはナレーターやアナウンサーも行っている訓練で、人前で喋る職業には欠かせないものです。
お腹に一杯息を吸い込んでから息が続く限り長く声を出し続ける「長発声」、その反対に短く歯切れ良く声を出す「短発声」、「あいうえお いうえおあ うえおあい えおあいう おあいうえ…」と50音をはっきり発声していく練習などの他、「あめんぼあかいなあいうえお…」という北原白秋の詩を用いた練習など、発声練習には色々なメニューがあります。
2、「身体の動かし方・使い方」に関する練習
筋力トレーニングやストップモーション、サーキットトレーニングなどが、これに含まれます。
舞台の上で演技をするには、声や言葉だけでは不十分です。
観客に伝わる表現をしていくための身体の使い方や、それを支えるための持久力を鍛えていくことも重要なレッスンです。
劇団にもよりますが、縄跳びや器械体操を取り入れるなど、工夫している所もあるようです。
3、「実際の芝居」の一場面を用いた練習
いわゆる「エチュード」と呼ばれる練習です。
何人かで1組になって、渡された台本のシーンを演じることもあれば、「こういう場面を演じて」という指示を出されてそれを演じることもあります。
ここでは、「怒り」「喜び」「悲しみ」などの感情を台詞に乗せて、「いかにも演じています」ではない、自然な演技ができることを目標にしていきましょう。
これらの他に、殺陣・ダンスなどのレッスンを、オプション的に取り入れている劇団もあります。
演技には、自分の全てが表れます。
練習をしながら様々な「自分の引き出し」を増やして、表現の幅を広げていきましょう。