【劇団員がいるから言える!?】育てたい役者像ってあるの?(セリフ編)

どうも。いつもは『ネコヒマ』とかこちらのサイトでは小説を書かせてもらっている吉岡です。

普段は何やってるの?とはよく聞かれますが、PCで仕事をしたり、小説書いたり、脚本書いたりなどなどです。

役職とか所属とかで言うと、

①劇団皇帝ケチャップという劇団の主宰で、脚本、演出を主にやっています。
②日本コメディ協会では理事という立場で活動中ですが、まあ、他の方々はキャリアもある方ばかりなので肩書だけ偉そうに見えますが、そうでもありません。今は公演を企画したり、運営したりというポジションにおります。

好き嫌いは基本的にはないのですが、たまねぎとパセリを食べると体調を悪くします。……ってそういう話ではありませんでしたね。役者のお話でした。

今回書かせてもらおうと思ったのは特に何がきっかけというのもないんですが、私は劇団に所属していて、でも出演できる役者は2名しかいないため、基本的には外部の役者にオファーしたりオーディションで採用して公演を打っています。

なので外も内も見ていて思うのは役者の成長に関すること。劇団員を育てる義務みたいなものを感じていた日々もあったのですが、今は劇団公演がない時期は、武者修行で外部出演をして自身の成長を加速してもらえればと思っています。

とは言え、劇団主宰としては劇団員のウィークポイントって見えていたり、そこを乗り越えさせるために若干ハードルの高い役を演じさせたりなど密かに実行しているような施策はあるんです。でもこれってもしかして他の役者にも該当することなのかもしれないなと思ったんです。

■長台詞をもたせる役者であれ!
■短い台詞でも場を際立たせる役者であれ!
■掛け合いでテンポを作れる、渦を作れる役者であれ!

この3つはひとまず重要だなと思うわけです。

■長台詞をもたせる役者であれ!
→うちの台本は基本的に長台詞があります。書いている私はそうは思っていないのですが、役者から言わせると長台詞だとのこと。例えば一人の役者が何も考えずに1分、2分喋り続けていると、引き込まれていた感情/集中が途切れるケースがあります。それは台詞を持たせる構成が出来ていない場合が多い。つまりただ長い台詞を言っているだけ、それぽく感情を見せて、意味ありげに言っているだけに留まっている可能性があります。脚本の言葉には必ず正解となる言い方、息継ぎ、リズムがあります。どう言えばどう見えるか、集中を続けてもらうにはどう物語、シーンにおいて、この台詞たちを使いこなせばいいのかをとことん考えて、口にしてみることをオススメ致します。※脚本の読解と創造力と客観視という能力が必要になります!

■短い台詞でも場を際立たせる役者であれ!
→例えば「おはよう」であったり「ごめん」という台詞だけが書かれている。そのシーンではその一言だけしか役割がなかったとしましょう。200%でそれを表現して下さい。あなたに与えられているそれらの短い台詞は貴方が演じている役のためにそこに書かれている言葉なのです。短い台詞なんてとか言わずに、どう言えばどう見せられるのか、どう印象づけられるのか、あるいはいい意味で印象を失わせられるのか、を考えてみましょう。シーンがあなたの一言で引き締まったり、色を変えたりしますので。※なお、本当は意味を生まないで欲しいシーンに欲をかいて自分の存在をアピールする役者もおりますが、それは駄目なケース。なんでもかんでも際立たせるわけじゃなく、出すと引くを使い分けられる柔軟性を養って下さい。

■掛け合いでテンポを作れる、渦を作れる役者であれ!
→1人でシーンを作るケースってあまりないですよね。相手がいて、会話をすることで成り立つシーンの連続で物語が出来上がる。感情的になっている人がいて、まあまあと言ってなだめる人との会話のシーンがあったとして、自分本位でシーンを進めようとすると一人芝居をしている役者が舞台上に何人も出ているなんてことはよくあったりします。よくはないんですが。脚本に書かれた台詞、キャラの性格、特長の範囲内でテンポやリズムというのは決まってきてしまうのですが、それでも「なんだかトロトロしてるなぁ」とか「先に進めよ」とかお客様に思われたら最後、それは適したリズム外で音を刻んでいるのだと思います。そういう場合は相手と何度も合わせてみましょう。それを演出家に見てもらいましょう。すると「ああ、だとすればここの言い方を変えてみましょう」とか、「キャラとしてまだスピード上げても変にならないよ」などのアドバイスが出てくると思います。掛け合いのシーンは練習あるのみ。※なお、掛け合いをよくしようとして何を言っているのか聴き取るのがやっとというのは問題外ですからね。

と、まあ、台詞と役者という点で見ていったわけですが、恐らく私が書いている作品であれそうでない作品であれ、多少の参考にはなるんじゃないかなと思っています。劇団員も出来れば参考にして欲しいなって思っています。

誰のための台詞?
誰に届けるの?
どう思われたいの?
どう見えているの?

自分の演技を疑ってみて下さい。きっとそこから創造力は働いていきますから。

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