【舞台用語】第四回:舞台装置を組むときの謎な用語「ガチ袋」「たたき」「バラシ」「殺す」「わらう」とは?右も左も分からない役者からの卒業!

こんにちは!元劇団員のノナです。

舞台用語の中には、日常生活の中ではあまり使われないような、摩訶不思議な名前が付いているものが数多く存在します。
全4回にわたり、そんな「どうしてそんな名前?」な舞台用語を解説していきます。

ラスト第4回は、舞台の片づけに関する用語を解説します。

その台、わらっといて..?

大きな劇団には舞台を作る専門のスタッフがいますが、中・小規模の劇団では役者が自分達の立つ舞台を作ることが意外とよくあります。ベテランさんからいきなり「その台、わらっといて」と指示されたら、あなたはどうしますか?
笑い話で、新人さんが台の上に乗って「わははは」と笑いだしたというエピソードもあります。

実は、ここで言う「わらう」とは、大道具などを「片付ける」ことです。用語で慌てないために、舞台の独特の用語や道具の呼び方を覚えておきましょう。

「ガチ」取ってきて!?

「ガチ袋(腰袋、ガチ)」は、工具が入った袋のことです。

舞台を作る作業や、それを解体する作業は、釘やロープなどを使用する、ちょっとした工事です。そのためDIYに使われるような工具が使用されます。作業の際には「ガチ袋(腰袋、ガチ)」と呼ばれる袋を腰に下げ、その中に釘や工具を入れます。こうすることで両手が自由に使えるようになり、作業がしやすくなります。

ガチ袋の中には「なぐり」「バール」「メジャー」「カッター」は必ず入れておきます。
なぐり」とは金槌のことですが、間違っても100円ショップで売っている金槌は使ってはいけません!作業中に鉄製の金槌の頭が外れて飛ぶことがあり、大変危険です。舞台を作る際には必ず大道具仕様の、補強の鉄帯が入っているものを使います。

メジャー」は一般的な巻尺のことですが、舞台の寸法の単位は現在も「尺貫法」が使われているため、cmの他に尺貫法の目盛りも付いているものが便利です。

これらの他にビニールテープ、折りたたみ式のノコギリなどがあると、更に良いでしょう。

一瞬何のことやら?独特の用語「たたき」「バラシ」

たたき」は舞台を作ることで、「バラシ」は舞台を解体することです。

一瞬何のことやら?独特の用語「殺す」「介錯」

何やら物騒な用語ですが、実際はそんなに怖いことではないのでご安心を!
殺す」とは、釘やロープなどを使って物を動かないように固定することです。
また「介錯(かいしゃく)」は、作業中に物を運ぶ時や、役者が舞台に出たり、はけたりする時に、大道具や照明器具に当たるなどして事故を起こさないようフォローすることです。

一瞬何のことやら?独特の用語「わらう」

「わらっといて」という指示は「片付けといて」ということです。

これらの他にも、舞台作りの用語には「えっ!?」と思うような不思議な言葉があります。
独特の用語で指示されて何をどうしたらいいのか分からない時は、その都度先輩に聞いて覚えていくようにしましょう。

まとめ

  • 役者自身が自分達の立つ舞台を作ることは、意外に多い。舞台作りの用語には独特の物があるので、覚えておこう。
  • 独特の用語で指示されたら、その都度先輩に聞いて覚えていくようにしよう。

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