【役者・劇団員お役立ち】「声を使う仕事」だけれど…アナウンサー・ナレーターから役者への転向の難しさ

こんにちは、元劇団員のノナです。
容姿と声に自信あり、しかし、役者や劇団員として舞台で活躍するのは難しいかもしれません。今回はそんなお話です。
 

アナウンサーやナレーターから役者への転向は簡単?!

舞台役者以外にも、声を使う仕事は、「映画・ドラマの俳優」「声優」「アナウンサー」「ナレーター」など、色々とあります。
 
舞台役者の中には、副業として各種イベント会場などでナレーターの仕事をしている方もいます。日頃から発声や滑舌などの基本を練習している役者には、特技を活かせる仕事として人気なのです。
 
しかし、アナウンサーやナレーターから役者への転向となると、これは簡単にはいかないのが現実のようです。
  

アナウンサー・ナレーターから舞台役者へ転向した例

 

元アイドル・モデルで、イベント会場のナレーターをしていたMさん

アイドル・モデルを目指して大手芸能プロダクションに所属していた経験もあり、その後はドラマや特撮物にエキストラとして出演しながら、各種展示会などのナレーターとして活動していたMさん。
 
彼女はある時、某劇団にスカウトされて公演に出演することになりました。
しかし、容姿や発声などは自他ともに認めるレベルで、本人も絶大な意気込みを見せていたにも関わらず、舞台での演技はいまひとつパッとせず、結局彼女の舞台出演はこの1回きりとなりました。
 
その後、彼女は古巣の芸能プロダクションに戻り、ナレーターとして活動を続けました。
 

大ヒットした韓国ドラマで皇后役を演じた女優

2005年に日本でも大ヒットした韓国ドラマ「チャングムの誓い(原題:大長今)」で、中宗王の3人目の后・文定皇后を演じたパク・ジョンスクさんは、韓国の延世大学の大学院を卒業し、朝の人気番組「とても特別な朝(MBC)」などで活躍するアナウンサーでした。
 
彼女は「チャングムの誓い」のイ・ビョンフン監督から「最高のアナウンサーになるために、演技にも挑戦してみるといい」とスカウトされ、この作品に出演。
しかし、日本で放映された吹き替え版ではそれほど目立たなかったものの、韓国では放映中から「演技が下手」と降板の要望が殺到してしまったのだとか。
 
それが理由かどうかは分かりませんが、彼女はこのドラマ以外には女優として出演していません。
 
 

同じ「声を使う仕事」なのに転向が難しい理由は?

 
なぜアナウンサー・ナレーターから役者への転向は、これほどまでに難しいのでしょうか?
それは同じように「声を使う仕事」でも、「求められるもの」が異なっているからです。
 
アナウンサーやナレーターの仕事は「物事を伝えること」です。
一方、役者の仕事は「演じること」です。
 
アナウンサーやナレーターが役者へ転向するためには、「演技の基本」を1から学ぶ必要があるのです。
 
ただしアナウンサーやナレーターの経験者は、基礎訓練の中で発声・滑舌などのトレーニングができているという有利な点があります。
強みは活かし、足りない所は強化していくということが大切なのです。
 

まとめ

  • アナウンサー・ナレーターは「物事を伝えること」、役者は「演じること」が仕事と、求められる物が違うため、転向が難しい。
  • アナウンサー・ナレーターから役者へ転向する場合は「演技の基本」を学ぶ必要がある。
  • 一方でアナウンサー・ナレーターは発声・滑舌の基本ができているという強みもある。

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