【舞台用語】舞台の「ツラ・心(しん)・奥」「間口(まぐち)」「立端・建端(たっぱ)」「奥行き(おくゆき)」とは?右も左も分からない役者からの卒業!

こんにちは!元劇団員のノナです。

舞台用語の中には、日常生活の中ではあまり使われないような、摩訶不思議な名前が付いているものが数多く存在します。
今回から全4回にわたり、そんな「どうしてそんな名前なの?」な舞台用語を解説していきます。

第1回目は、舞台に立ったことのあるあなたなら1度は耳にしたことがある言葉を集めた「舞台の大きさと舞台上の各部分編」です。

まずは、舞台上の位置を指す用語

舞台の「ツラ・心(しん)・奥」

これらはすべて、舞台上の位置を指す用語です。
「ツラ」は客席寄りのいちばん前の端のことで、「舞台花」または「舞台端」(どちらも読み方は『ぶたいばな』)とも呼ばれます。
これに対して舞台の客席から遠い後ろの方は、舞台の「奥」と呼ばれます。

「心」とは、舞台の左右方向に対しての真ん中のことで「センター」と呼ばれることもあります。

「上手・下手(かみて・しもて)」

「上手・下手」とは、お客さんから舞台を見た時の右側と左側のことです。
右側を「上手」、左側を「下手」と呼びます。

舞台用語では、いわゆる垂直方向の「うえ・した」を表す場合に「上・下」という言葉は使いません。
その場合は「天・地(てん・ち)」を使います。

舞台の「袖」

舞台の上手・下手の外側にある、お客さんからは見えない部分を「袖」と呼びます。
それぞれ上手側は「上手袖」または「上袖」、下手側は「下手袖」または「下袖」と呼ばれます。

ここに出番を待つ出演者や舞台装置が控え、照明・音響などの機器が置かれます。

また、それぞれの袖の部分に垂らされた幕「袖幕」を略して「袖」と呼ぶ場合もあります。
「袖」は通常は上下とも前から3つあり、舞台のツラに近い方から「1番・2番・3番」と覚えると便利です。
実際の大道具を配置する際にも「上1番、下3番」のように番号を振られることがあります。

「舞台裏」

一般的に、客席のお客さんからは見えない部分全般を差します。
言いかえれば劇場内の、舞台の上・客席・ロビー以外の場所全てということです。
ですから「舞台袖」も「楽屋」も、全て「舞台裏」ということですね。

続いて、舞台の大きさを表す用語

「間口(まぐち)」「立端・建端(たっぱ)」「奥行き(おくゆき)」

これらは全て、舞台の大きさを表す用語です。
「間口」とは、舞台の上手の端から下手の端までの横の幅を表します。

「奥行き」は舞台のツラから奥までの縦の幅で、「ホリゾント(背景用の幕や照明)までの奥行き」のように使われます。

そして「立端・建端」は、舞台の高さです。
舞台上からの高さを表しますが、建物(立物)の端からの高さを意味する「端」から来ていると言われます。
これが転じて、人の身長を表すときに「君、建端はどのくらい?」という使われ方をすることもあります。

舞台用語は種類が多いので、一度に全てを覚えるのはとても大変です。
これから舞台に立つ皆さんは、今回出てきた言葉の中では、まず「上手・下手」を必ず覚えましょう。
この2つは舞台の右と左を表す用語なので、これが分からないと文字通り「右も左も分からない役者」になってしまいますよ!

まとめ

  • 舞台の大きさや舞台上の位置を表す用語には、日常生活とは使い方の異なる用語が存在する。
  • まずは「上手・下手」から覚えよう!

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