【短編オリジナル小説】万引き犯を捕まえたはいいが妹だった。第12話(最終話)
妹はまだ子供だ。ジョナサンでステーキを奢ってやると言ったら、のこのこと誘いに乗ってきた。 前回はこちら 「いらっしゃいませ」というジョナサンの店員に案内された俺たちを今か今かと佐田は待っていた。そして俺たちを振り返ったそ…
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妹はまだ子供だ。ジョナサンでステーキを奢ってやると言ったら、のこのこと誘いに乗ってきた。 前回はこちら 「いらっしゃいませ」というジョナサンの店員に案内された俺たちを今か今かと佐田は待っていた。そして俺たちを振り返ったそ…
妹からのLINEの返信は俺がバイトを終わった時間を見計らったように返ってきた。 「何の用?」大分シンプルなご返信じゃないか、妹よ。 前回はこちら 帰宅した俺は真っ先に言った。 「俺はキューピッドになるつもりだ。わかったか…
「佐田くんさ、彼女いないよね? 彼氏でもいいけど」と俺は聞いてみた。 前回はこちら 「ちょっとちょっと、決めつけないで下さいよ。僕にだってですねぇ」 「いないだろ」 「紹介でもしてくれるんですか? だったらいないってこと…
監視カメラの映像を個人的欲望に従い全て見ると言い出した大宮店長の肩をがしっと掴み、俺は首を横に振った。 前回はこちら 「なに、一緒に見る?」 「違います。監視カメラの私用とかやめて下さい。本部に報告しますよ」 「脅されて…
バイト先のコンビニに出勤すると店長がにやにやして立っていた。朝から気持ちが悪い、もとい気味が悪い。 前回はこちら 結局昨夜は「どっきり」のプラカードを持った神様もしゃもじを持ったヨネスケも乱入してこなかったので、俺には解…
万引きをしても反省しない、リビングのソファに寝そべってホットアイマスクを使用中の女子が一人。 それが自分の妹であるという点で俺は溜息しか出てこなかった。 前回はこちら 「宿題やったのか」 俺は冷凍ピラフをレンジでチンしな…
その日帰宅すると妹の七海は何事もなかったかのように振る舞っていた。 「お兄ちゃん、お帰り」 前回はこちら 「ただいま」 とラフな部屋着に着替えてソファに座っている彼女に言った俺だったが、 あまりにも何事もなかった感が出て…
万引き犯の妹は椅子にちょこんと座り、一点を見つめていた。 前回はこちら 「お前さ、さっきから何見てんの?」 「成分表示」 「えーと、さ。今の状況分かりながら紅茶の成分表示見てるとしたら、 お前、すごいよ。さすがだよ」 「…
反省の色を見せない万引き犯の妹を前にして、兄である俺は、言葉を探していた。 「お前さ、今いくらあるの?」 「かつあげですか?」 「なんでそうなる。所持金でここにある紅茶、買って帰れない?」 俺達の目の前には妹が万引きした…
何が不満だったのか。俺は万引き犯を目の前にして考えていた。 万引きしたものは「レモンティー」「ストレートティー」「ミルクティー」を一本ずつ。何処ぞでティーパーティーでもやるつもりか。ティーパーティーでも。 「何か言ったら…