【短編オリジナル小説】きょうの二階堂さん、きのうのタカナシくん vol.11
前を歩く二階堂さんはとても速かった。 追いつくのがやっとの僕だった。 前回はこちら 「二階堂さん、速いよ。運動部じゃないんだから」 「何を悠長なことを言っているの。夕方はすぐに夜になってしまうわ」 二階堂さんは明らかにテ…
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前を歩く二階堂さんはとても速かった。 追いつくのがやっとの僕だった。 前回はこちら 「二階堂さん、速いよ。運動部じゃないんだから」 「何を悠長なことを言っているの。夕方はすぐに夜になってしまうわ」 二階堂さんは明らかにテ…
私とBar竹馬之友のマスター、十河さんが話をしていると、 入口の扉が開いて美冬ちゃんが入ってきた。 前回はこちら 「お疲れ様です」 「お疲れ」 という十河さんと美冬ちゃんの挨拶があり、私は彼女を見遣る。 彼女はマスクをし…
その日帰宅すると妹の七海は何事もなかったかのように振る舞っていた。 「お兄ちゃん、お帰り」 前回はこちら 「ただいま」 とラフな部屋着に着替えてソファに座っている彼女に言った俺だったが、 あまりにも何事もなかった感が出て…
帰宅部というのは放課後は部活をするでもなく家に帰る学生のことを言うらしい。 となると私はそれには当たらないと思われる。 かくして私と急遽参加となったタカナシくんは放課後、 未確認生物を探しに学校を飛び出した。 前回はこち…
「ピグミーマーモセットって知ってる?」と突然授業が終わると二階堂さんは僕に言った。 前回はこちら 「あの、お猿的なやつ?」 「そうね、お猿的なやつね」 「え、今それって必要な情報? 僕がピグミーマーモセットを 知っている…
スーパーのレジは複数人体制で、列によっては若干早い遅いがあって、 自分が並んでいる列の進みがいいと、『あ、今日自分はついているかも』とか 思ったりするプチ占いみたいなことをやってしまう。 今日はと言えば、どうやらあまりラ…
街中に立ってスカウトをしていると、妙な少女にからまれることになった。 前回はこちら 女「私をあなたの事務所に所属させなさい」 男「断る」 女「なんでですか?」 男「なんでですかってなんですか?」 女「私ですよ」 男「だか…
人にノートを貸すというのは裸を見られるのとは違うけれど、やはり恥ずかしいものだったりする。 前回はこちら 数学のノートを貸してほしいんだけど、と昨日の授業の終わりにタカナシくんに言われた私は まさに机の中にしまおうとして…
僕は勉強ができない。中でも数学というのは苦手すぎて笑えるほどだ。 なので僕は二階堂さんにノートを借りて帰ることになった。 前回はこちら 想像通りのきれいな文字と数字、几帳面な図が描かれている。 まさしく二階堂ワールドが展…
玄関先にビニール傘を置き、上着をハンガーにかけて吊ったところで 否応なく押し寄せた疲れを受けて、私はソファに身を沈めた。 前回はこちら 結婚すると約束をした君、その約束をなかったことにしてくれと言った私。 赦されないこと…
漫才コンビ、ハリガネハチマキのネタ 第一弾を掲載していきます。 二人の紹介はこちら。ハリガネチマキ vol.0 二人の紹介 それでは、どうぞ。 ネタを終えて楽屋へ という形でただただ喋り続けた7分間の地獄が終わっての楽屋…
街中。スカウトマン(男)は今日もタレント(女)の卵を探す。 すーーすーーーすーーー。 何度となく同じ少女が目の前を右左と移動しているのに気づく。 男 見間違えか。迷子か。 女 すーーすーーーすーーー。 とうとう口にしだす…